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神の数式・超弦理論 についての覚書

NHKスペシャルの「神の数式」をオンデマンドで繰り返し見ながらノートにまとめてみたもの。

 

超弦理論の登場まで
ウクライナ出身のマトベイ・ブロンスタインが当時の素粒子理論と一般相対性理論を融合させようとして苦しむ。数式上で分母が0になり無限大が無限大個発生してしまう。
ブロンスタインは研究半ばでスターリンの知識人粛清により銃殺される。

南部陽一郎のアイデアの一部として弦理論が発表されていた?

・70年代のアメリカ。ジョン・シュワルツとフランスの留学生ジョエル・シャークが南部の弦理論を発展させて超弦理論を作り上げる。粒子を点ではなく振動する弦を丸めた輪ゴムのようなイメージで捉える。
それにより粒子同士がぶつかって距離が0になっても、粒子自体の弦の大きさが残るため、分母が0にならない。無限大が発生しなくなる。

だが学会からはシカトされる。素粒子理論とも一般相対性理論とも無関係と思われたため。

また、重力を伝える粒子それ自体は重さが0であることが知られていたが、超弦理論で計算すると重さが0にならないと指摘される。

シュワルツとシャークは数式内で唯一変化させることのできる次元数を操作。10次元で重力粒子の重さが0になるという計算結果を出す。
だが経験的に観測される世界が3次元空間+時間軸の4次元であるのに、10次元という次元がどうやって存在できるのか、具体的なイメージを当時の誰も持てなかったため、学会からシカト+嘲笑を受ける。

失意に加えて重い糖尿病を患ったジョエル・シャークはフランスに戻る。だがシュワルツとシャークは連絡を取り合い、次元についての研究を続ける。

故郷のフランスで理解者が周囲に全くいない孤独の中、病とも闘いながらシャークは様々なアイデアを出す。その中には、11次元の宇宙モデルもあった。現在の理論物理の最先端のモデルは、エドワード・ウィッテンのM理論だが、M理論の描き出す11次元の宇宙はシャークの遺した11次元宇宙のアイデアを発展させたものだ。

孤独と自分自身の研究への懐疑に苦しめられ、仏教に深く傾倒して瞑想に耽るようになったシャークは、ある日自ら糖尿病の治療薬を大量に注射して34歳で生涯を終える。
インシュリンショック?)

・親友であり盟友であったシャークの突然の死にシュワルツは衝撃を受けるが、新たな共同研究者マイケル・グリーンと共に超弦理論の完成を目指す。そしてその執念と努力が報われる日がついに来る。

計算を進める過程で、496という完全数が数式に何度も現れ始める。496は古代ギリシャ天地創造に最も深く関わる数として崇められていた。そして496が数式に現れたすぐあとに、超弦理論の式の中から素粒子理論の式と一般相対性理論の式が現れて来る。

超弦理論は一見素粒子理論とも一般相対性理論とも無関係に見えたが、実は両方の理論を内包していたという結果をシュワルツとグリーンは導き出したのだ。これよって超弦理論は世界中の物理学者に認められる。

・次元とは物質が自由に移動できる座標の数を意味する。
綱渡りをする人間はロープの上を前後にしか移動できない。人間にとってロープは1次元世界だが、ロープにとまったテントウムシはロープの表面を前後左右に移動できる。テントウムシにとりロープは2次元世界となる。

また平らな芝生を真上から見ると平面の2次元だが、芝生の中をタテヨコ高さのどの方向にも動けるテントウムシにとっては芝生は3次元。スケールの変化によって隠れていた次元が現れてくるのだ。

問題の10次元は、原子の1兆分の1のまた1兆分の1という極微世界に現れる。
「カラビヤワ多様体」という10次元の「空間の一部」がびっしり並んでいるのが超弦理論が描き出す世界だ。

・だがここでスティーブン・ホーキングが「ホーキング・パラドックス」という大問題を全世界の物理学者に投げかけた。

ブラックホールが僅かな熱を放出しながら蒸発するという現象が確認されていた。
だが、ブラックホールの底は数式上、時空も素粒子も極小の一点に凝縮されていて、素粒子が全く動けないはずだ。にもかかわらずなぜ熱が発生するのか?
素粒子理論はブラックホールの底では通用しないので、素粒子理論を含んだ超弦理論ではこのパラドックスは解けないだろう。そして、このパラドックスを解ける理論は現在の物理学には存在しないだろう、と。
そして実際、この時点の超弦理論ではこのパラドックスは解けなかったのだ。

・10年後、ジョセフ・ポルチンスキーが新たな概念「膜(Dブレーン)」を加えて発展させた超弦理論でホーキング・パラドックスに挑む。

ポルチンスキーは、素粒子の弦は単体で存在しているのではなく、糸を織り上げて布が出来るように、無数の弦が集まった膜の状態で存在している、と考えた。この「膜」は、ビッグバンから10の-43乗秒以前の「初期宇宙」の重要な粒子なのだと言う。

そして、10次元では広がっている膜が、次元数が減るごとに折りたたまれて4次元では極小の一点に見えるだけで、ブラックホールの底では大量の膜(Dブレーン)が10次元のカラビヤワ多様体の空間に絡みつきながら運動しており、膜の構成要素の無数の弦も運動することで、ブラックホールの熱が発生する。つまり、今までの超弦理論の数式に膜の数式を加えれば、ブラックホールの熱も計算できるはずだ、と言うのだ。

・ポルチンスキーのこの理論に基づいて計算を試みたカムラン・バファが、証明に成功する。計算結果の数式が、ホーキングが示した熱の数式と完全に一致したのだ。
2004年、超弦理論とは一線を画しながら自ら問いかけたパラドックスを解決する理論を模索していたホーキングが、ついに超弦理論の正しさを認めた。

 

だが極大から極微までの宇宙をそれ一つで説明できる統一理論としては、超弦理論は様々な問題を孕んでいるようだ。

超弦理論 - Wikipedia

M理論 - Wikipedia

を参照して下さい。