新宗教

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新宗教(しんしゅうきょう)もしくは新興宗教(しんこうしゅうきょう)とは、伝統宗教と比べて比較的成立時期が新しい宗教のこと。国ごとに言葉の意味や捉え方が異なる。

日本では、幕末・明治維新以後から近年にかけて創始された比較的新しい宗教のことをいう。実に多種多様な団体を包括した用語であり、すべての団体にあてはまる概念、背景等の共通点は、成立時期のほかには存在しない。また、伝統宗教と比べて、比較的新しいというだけで、江戸時代に起源をもつところもあり、それなりの歴史と伝統を確立している新宗教も多い。

概説[編集]
西洋では19世紀末以降のものをいう場合が多い[要出典]。 当初、新宗教という用語は日本の宗教現象を指すものであったが[要出典]、欧米でもcultに代わる中立的な用語としてnew religious movementが使われるようになってきている。ただし、歴史的、宗教的背景の相違から、意味内容や対象とする年代に若干のずれがあり、例えば天理教よりも新しいバハーイー教新宗教に含めないことが多い[要出典]。

日本の宗教学では、近現代に生まれた宗教を指す価値中立的な用語として新宗教を用いている。正確な範囲は論者によって異なるが、日本では、19世紀中頃の幕末維新期以降に成立した宗教のうち、既成の宗教組織を引き継いでいないもの、新たな教義を掲げて伝統宗教から自立したものを新宗教と呼ぶ。また、第2次世界大戦前に興されたものを新興宗教、戦後に興されたものを新宗教と区別する考え方が一般的だが、学術的定義は確立していない。

1951年に立正佼成会PL教団などが中心となって、他の新宗教団体と共に新日本宗教団体連合会(略称:新宗連)が結成されたが、新宗連では一般的に使用されてきた従来の「新興宗教」は悪いイメージがある用語として、「新宗教」という用語を使うよう各種関係団体などに働きかけてきた。現在使われている「新宗教」はここに端を発している。

特に、1970年代以降に台頭してきた宗教を新新宗教と呼ぶことがある。これは宗教社会学の西山茂、室生忠などが提唱した概念で、既存の教勢が停滞する一方で、幸福の科学統一協会統一教会)が急速に拡大した現象に注目したものである。
しかし、新新宗教については、研究者によって多種多様な提唱があり、具体的にどの団体を指すのかも、何をもって新しいとするかの具体的基準も、明確に定まってはいない[1]。どこまでを新新宗教に含めるか、他の新宗教と区別する意義は何か、といった議論があり、広辞苑大辞泉にも独立単語として掲載されていない。

形態[編集]
ひとつの典型的な形態としては、ある教祖的人物の天啓や神がかりにより運動が創始され、既存の宗教から有形無形の影響を受けつつも、新たな宗教としての体裁をなし、組織的教団となっていくような運動・教団があげられる。

他方、霊能祈祷師など個人的な宗教活動をするもの、既成宗教の再生運動とみられるもの、あるいは道徳・倫理・修養団体とさほど違いのないような運動・教団も数多く存在する。

広く社会貢献や公益活動に取り組んでいる団体もあるが、社会的事件を起こす団体も見受けられ、社会問題となっている。
また、一部の「悪徳な商行為をする企業」が新宗教を偽装したり、「生活の向上や幸福」などと新宗教の信者獲得手法を取り入れて悪徳ビジネスを展開する例もまれに見られる。

神道系の新宗教団体[編集]

国家神道系[編集]
招魂社 靖国神社
護国神社


教派神道系[編集]

黒住教
神道大教
出雲大社教
金光教
天理教 - かつては教派神道系であったが、教団が一派独立し現在では諸派にくくられる。

山嶽信仰系[編集]
丸山教
御嶽教

想念憑依系[編集]
円応教
神理教

大本系[編集]
大本 (大本教
三五教(あなないきょう)

世界救世教系[編集]
世界救世教 いずのめ教団
東方の光教団
主之光教団
神慈秀明会

生長の家系[編集]
生長の家
白光真宏会

真光系[編集]

詳細は「真光系諸教団」を参照
世界真光文明教団
崇教真光
神幽現救世真光文明教団
陽光子友乃会
真光正法之會
ス光光波世界神団

天理教系[編集]
天理教(現在では諸派の扱い。成立当時は教派神道系) ほんみち
ほんぶしん
世界心道教
八楽会教団
神一条教
おうかんみち
天輪王明誠教団
おみち

その他神道系[編集]
天照皇大神宮教
パーフェクト・リバティー教団(通称PL教団
松緑神道大和山
神道
神霊教
霊波之光
大山ねずの命神示教会
ワールドメイト
皇道治教
神命愛心会(神命大神宮)
箱根大天狗山神社
紀元会大和神社
皇祖皇太神宮天津教竹内文書を教典とする)
璽宇
神国教
荒薙教
平和教

仏教系の新宗教団体[編集]

日蓮宗系[編集]

日蓮宗」も参照
本門佛立宗
日本山妙法寺大僧伽
釈尊会
国柱会
日蓮宗葵講
法師宗

霊友会系[編集]
霊友会
霊法会
立正佼成会
佛所護念会教団
妙智会教団
妙道会教団
大慧會教団
正義会教団
思親会
希心会(分派)
正導会
在家仏教こころの会
日本敬神崇祖自修団 普明会教団(沿革では霊友会からの分派とされるが、日本敬神崇祖自修団の戸次貞雄を恩師であり教祖と仰ぐ)

日蓮正宗系[編集]

日蓮正宗」も参照
顕正会
正信会
創価学会
正理会
妙観講

勧誘活動のことを「折伏」=しゃくぶく(「破折屈服」の略)と呼んでいる。

天台宗系[編集]

念法真教
道教団(霊友会系に分類することもある)
鞍馬弘教

浄土系[編集]

浄土真宗系[編集]
浄土真宗華光会
浄土真宗親鸞会
浄土真宗一の会
仏眼宗
真宗長生派
浄土真宗同朋教団
仏教真宗]
門徒宗一味派

その他浄土系[編集]
念佛宗三寶山無量壽寺

真言宗密教系[編集]
解脱会
真如苑 - 醍醐派から独立 
辯天宗 - 大森智辯を宗祖とする宗派
阿含宗 - 皇道治教・金剛院派の系統を継ぎ独立
一切宗 - 木原覚恵を創始者・宗祖とする宗派教団
中山身語正宗 身言正宗中山身語正宗からの離脱分派)

光明念佛身語聖宗
肥後修験総本山六水院(教祖を下ヨシ子氏とする密教
海命寺
桂源流

曹洞宗系[編集]

如来宗
救世教
三宝教団

チベット密教系[編集]

その他の仏教系[編集]
幸福の科学[2]
新生佛教教団
ひがしくに教
大国教会
細木教
圓佛教(韓国系)
ホアハオ教ベトナム系)
一尊教団
三宝教団
オウム真理教(Alephの前身、一部チベット仏教の要素を取り入れている)
真言宗金剛院派(前身は皇道治教で真言宗とは全く無関係。照真秘流を自称)
日本テーラワーダ仏教協会釈尊の初期仏教を守り伝えるテーラワーダ仏教の布教伝道を標榜するが、実態はヴィパッサナー瞑想の普及団体)
日本ヴィパッサナー協会ヴィパッサナー瞑想の普及団体)
グリーンヒル瞑想研究所(ヴィパッサナー瞑想の普及団体)

ヒンドゥー教系の新宗教団体[編集]
ブラフモ・サマージ
プラールタナー・サマージ
アーリヤ・サマージ
ラーマクリシュナ・ミッション
シュリー・ナーラーヤナ法普及協会
クリシュナ意識国際協会ハレ・クリシュナ
アイヤーヴァリ

キリスト教系の新宗教団体[編集]

キリスト教新宗教の詳細についてはキリスト教系の新宗教を、伝統的教派も含めたキリスト教の諸教派の概観はキリスト教諸教派の一覧をそれぞれ参照
セブンスデー・アドベンチスト教会
末日聖徒イエス・キリスト教会モルモン教
エホバの証人 (「ものみの塔聖書冊子協会」)
世界基督教統一神霊協会(「統一協会」または「統一教会」、韓国では「統一教」)
摂理(「JMS」、「MS」、「モーニングスター」)
聖神中央教会
聖イエス会
キリストの幕屋(原始福音)(神道キリスト教を融合)
道会(儒教道教キリスト教を融合)
クリスチャン・サイエンス
ニューソート
人民寺院
ユニティ派
ユニテリアン主義
ユニテリアン・ユニヴァーサリズム
日本型キリスト教

イスラム系の新宗教団体[編集]
バハーイー教バハイ教
ネーション・オブ・イスラムブラック・ムスリム
アフマディーヤ(アハマディア)
聖久律法会

中華圏民間宗教系の新宗教団体[編集]
天道総天壇

精神修養団体・心霊研究系の新宗教団体[編集]
修養団捧誠会 (財団法人修養団とは関係がない)
ライフスペース
日本心霊科学協会
神智学協会

宇宙・UFO系の新宗教団体[編集]
サイエントロジー
ヘブンズ・ゲート
宇宙真理学会

その他の新宗教団体[編集]
GLA総合本部(ゴッド・ライト・アソシエーション)
国際正法協会
偕和會
悪魔教会
大山ねずの命神示教会(おおやまねずのみことしんじきょうかい)
天祖光教
瑠璃教会(松井秀喜の実家)
法の華三法行(2001年解散)
カオダイ教
ウィッカ
日本平和神軍
一神教学会(多宗教教の布教を目的とする宗教団体)
新和土大神(京都市右京区にある自身の旧宅に細木数子がまつっている)
スブド
蓮門教
東学(韓国系)
太陽寺院
ESP科学研究所
J-House

脚注[編集]
1.^ 朝日現代用語「知恵蔵」. 朝日新聞社. (2007). pp. 828.
2.^ 文化庁の宗教年鑑に仏教系と明記

関連項目[編集]
新日本宗教団体連合会

関連書籍[編集]
新宗教事典(編著:井上順孝、弘文堂 1990年)
新宗教教団・人物事典(編著:井上順孝ほか、弘文堂 1996年)
週刊ダイヤモンド 2009/09/12 号、 特集「新宗教

参考文献[編集]
佐木秋夫、小竹明 『世界大百科事典』16巻、平凡社、1978年印刷(原著1972年4月25日)。2009年5月5日閲覧。

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